|
|
| 日常の診療の中で、よく耳にする症状は「吐いた」「下痢した」「痒い」…などがあります。いずれも必ず目に付き、他の大きな病気の一症状としてもなり得るものです。そこで、今回は「嘔吐」をテーマとして簡単にまとめてみたいと思います。 犬は、比較的嘔吐しやすい動物です。食べ過ぎ、胸やけ、車酔いなどで食べたものや、泡状のものをよく吐きます。1回や2回の嘔吐で、元気もあり、食欲もあればさほど心配はありません。しかし、「嘔吐回数が多い」、「血液を吐く」、「しぶり便をともなう」、「嘔吐の後ぐったりしてしまった」などの場合は他の病気の一症状である場合があります。あまり様子を見ることなく、早めに動物病院へ受診してください。嘔吐が頻回に起こると,体液バランスが崩れ、動物の生命を脅かす問題に発展することもあります。 嘔吐したときの注意し確認しておきたい点は、次の通りです。 | ![]() |
| @ 何を何回ほど吐いたか?また、食べたものを吐いたのなら、食後の経過時間は? A 何か変わったものを与えていないか?また、異物を飲みこんだ形跡はないか? B 下痢はしていないか? C 元気さは? これらのポイントを病院で的確に伝えることにより、より早く正確な診断に結びつきます。 |
|
| 胃炎 | MENU▲ |
| ストレスや食べ合わせ、異物等の摂食などなどにより胃酸過多が起こり、胃粘膜がただれ、食欲不振、吐気をもようす状態です。 |
| 胃拡張・捻転症候群 | MENU▲ |
| 中高齢の胸が深い大型犬種でよく見られます。種々の原因によって、胃が捻れてしまい胃内はガスで充満した状態になります。ほとんどが多量の食物を摂取した後、急な運動などにより引き起こされます。これは、救急的な病気で、時間経過にともなって、確実に死亡します。多くの場合外科手術が必要となります。 |
| 腎不全 | MENU▲ |
| 何らかの原因により腎臓の機能が著しく低下し、それに伴い尿として排泄されるべき毒素が血液中にたまり、いわゆる尿毒症から吐気を起こすものです。 |
| 子宮蓄膿症 | MENU▲ |
| 子宮の中に膿が溜まる病気で、5才以上の未経産の犬で発症しやすいようです。多くは、異常(不順)な発情の後に起こります。症状としてよく見られるのは、初期症状として多飲多尿があり、進行するにしたがって食欲不振、嘔吐、脱水、尿毒症を起こし、やがては死に至ります。多くの場合外科手術が必要となります。その他、肝炎、膵炎、伝染病などなど、沢山の病気の1症状として嘔吐は認められます。嘔吐は、頻回すると人間同様動物もとても苦しい思いをします。何事もそうですが、早期発見・早期治療が物言わぬ動物に対しての飼主および獣医師の義務であり責任であろうと思います。 |
| 膝蓋骨脱臼 | MENU▲ |
| 後肢にある膝蓋骨(膝のおさら)が内側または、外側にはずれた状態を言います。予防としては、遺伝病のため股関節形成不全症の罹患犬は、繁殖に用いない事です。治療は,症状によっても異なりますが内科的な治療から、最終的には外科処置が必要な場合もあります。 |
| 下痢 | MENU▲ |
| 下痢とは、軟便または水様便を頻繁に排泄する事です。これは、もちろん腸の病気の主要な症状ですが、他の病気の続発症として起きる事もあります。原因としては、腸内寄生虫、食事の問題、同化不良症候群、感染症(ウィルス性、細菌性)、ストレス・・など沢山考えられます。単純な下痢の多くは、初期の24〜48時間絶食させる事(水は与えておきます)で、症状の軽減や消失が見られます。その後、少量の食餌を数回に分けて開始し、2日ほどかけて、徐々に通常の食餌量へ戻して行きます。なかなか下痢がおさまらない場合には、上記の原因等も考えなければいけません。早めに病院へ受診してください。 下痢を引き起こす原因はこれら以外にも沢山あります。下痢だけではなく、嘔吐と併発または続発して認められる事もしばしばです。日頃から、きちんとした食生活を心がけ「かわいそうだから」、「かわいいから」といった人間の一方的な感情による過食、偏食には十分注意してください。動物といつまでも笑顔で向い合っていくために… |
| 肥満 | MENU▲ |
| エステ、ダイエット食品・・などなど、現代人にとって、肥満は最も注目されている病気の一つと言えるでしょう。動物の間においても、ひそかに話題を集めるのがこの「肥満」と言う言葉です。肥満とは、豊かな社会環境を象徴する病気ではないでしょうか。動物の体重が、その適性値を15%以上超えると肥満とみなされ、この時点から健康上の問題が増加し始めます。肥満を引き起こす最大の原因は、運動不足のようです。もちろん、食物摂取量の増加も重要な要因に挙げられます。「うちの子は肥満では?」と感じている方は、まず動物の胸に手を添えてみてください。皮下脂肪に触れずに肋骨を触知できれば、合格です。肋骨が容易に触知できなければ、かなりの肥満です。反面、触らずに肋骨が外からわかるようでは「痩せすぎ」です。肥満により発症、あるいは悪化、増加する可能性のある病気には次のようなものがあります。がん、骨・関節疾患、肺疾患、心臓疾患、肝臓疾患、糖尿病、膵臓炎、手術時の危険性、皮膚疾患、感染症、などなど。肥満の対処としての、体重減量プログラムを成功させるには、飼主自身及びその周辺の人々の十分な納得と、固い決意が必須となります。体重減量プログラムは、獣医師と相談し減量目標及び、その目標達成までの期間、方法を設定します。減量目標として、毎週3%の体重の減少で8〜12週かけて目標体重へと導きます。現代に共存する動物たちの健康を脅かす肥満は、ほとんどが人間が作り上げて行きます。お互いが長く、楽しく、幸せに生活するにはどうしたら良いか、もう一度見なおす時期にきている様に感じます。 |